
睡眠の意義
睡眠はいずれの年代においても健康維持に必要な休養活動です。睡眠不足は注意力低下や情動不安定など影響が多岐にわたります。また、肥満・高血圧・糖尿病・心疾患・脳血管障害の発症リスクが上昇し症状が悪化し、死亡率にも寄与します。ほかにうつ病などの精神疾患の再燃や再発リスクともいわれており、健康保持に極めて重要です。

睡眠時無呼吸症候群とは?
その症状
無呼吸中にいびきが存在する閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea:OSA)と,呼吸努力を伴わない中枢性睡眠時無呼吸(central sleep apnea: CSA)がある.前者は、肥満, 加齢, 男性に多いといわれている。後者は, 心不全,脳卒中後に見られることが多い.
症状として、睡眠中の窒息感やいびき、日中の眠気・疲労感・頭痛、他者に無呼吸を指摘されることもある

原因と
主な要因
気道が小さいことが原因と言われています。肥満により軟部組織が増加することも上気道を狭窄させる原因になります。ほかに、気道の開閉や換気にかかわる神経(延髄呼吸中枢)の機能低下も一因と言われています。
肥満:最大の危険因子と言われています。10%の体重増加で、発症リスクが6倍になります。
性別:男性は女性の2-3倍の頻度になります。女性は閉経による影響が言われています。
年齢:70歳まで増加します。

診断方法
問診のみで診断することはできません。簡易モニターやポリソムノグラフィー(polysomnography)検査をおこないます。ポリソムノグラフィーは精度がの高い検査ですが、入院が必要です。そのため、自宅で検査可能な簡易モニターから検査を始めることが多くなります。無呼吸低呼吸指数(AHI)を測定します。

治療方法と
効果
持続陽圧呼吸療法(CPAP)、マウスピース(OA: Oral Appliance)療法、減量、気道開存(口蓋扁桃・アデノイド摘出手術)、体位療法(仰向け(仰臥位)でなく横向き(側臥位)で眠る)があります。
難治性高血圧の改善、QOL改善(日中の眠気も含む)、心血管障害の改善に効果があります(糖尿病や高コレステロール血症・肝障害の改善効果はありません)。一夜あたり4時間以上行うことが望まれます。
遠隔モニタリングを使用してクリニックへ受診する回数を減らせます。
*睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン 2020年より